被爆体験者講演会
柏崎市は平成22年1月1日に「核兵器廃絶平和都市宣言」を行いました。それ以降毎年平和事業としていくつもの事業を行ってきました。今年度は8月1日~15日にかけてソフィアセンターで「はだしのゲン」上映会、8月3日~31日まで西山町事務所で「ミニミニ原爆展」、9月25日にアルフォーレで「ドナルド・キーン講演・公演会」、10月15日~25日までソフィアセンターで「平和展」などを行いました。そして、今年度最後の事業となる「被爆体験者講演会」が今日アルフォーレで行われました。
講師は「長崎」での原爆被爆者である山脇佳朗様でした。ご自身は小学5年生の時に長崎の自宅で被爆されました。自宅は爆心地から2㎞のところにあり、原爆が落とされた1945年8月9日のその瞬間はたまたま自宅の奥の方にいたため最悪のことをまぬがれたとのことです。しかし、それにより父親を亡くしました。原爆投下後の長崎の様子や父親を兄弟で探した時のこと、その遺体を見た時のことなどのお話のときは、筆舌に尽くしがたいお気持ちだったでしょうし、聞いている私もその情景が目に浮かぶようで胸が熱くなりました。本当に大変なおもいをされたのだと感じました。お話の中には「なぜアメリカは原爆を広島と長崎の2か所に落としたのか」という問いもありました。アメリカとしては早く戦争を終わらせようとしたという考えもあったでしょうが、山脇講師は「ウラン型の広島原爆とプルトニウム型長崎原爆を比較したかったからではないか」ということも理由の一つなのかもしれないと話してくださいました。
この講演会には柏崎市内の中学2年生全員が来ていました。柏崎市では広島や長崎に修学旅行に行く中学校も少なくありません。中学2年生の3月か3年生になってからの4月に修学旅行が行われることが多いので、その事前学習にはぴったりだったと思いました。また、講演中は静かで、みんなが集中していることが感じられましたし、講演後に山脇講師に質問をする生徒が何人かいました。大勢の中、自分の気持ちを堂々と発表できる、質問できるなんて素晴らしいと思います。柏崎の未来は明るいです。いずれにしても中学生のうちにしっかりと平和について学習することはその人の人生においても大切なことだと思います。