原発特別委員会講演会 フッ化物洗口を考える会
午前中は原発特別委員会第3部会主催の講演会がありました。講師は新潟産業大学の宇都宮仁先生でした。演題は「柏崎刈羽原子力発電所停止による柏崎経済への経済波及効果」で、宇都宮先生が書かれた学術論文を分かりやすく説明してくださるものでした。専門的な指標を使い、専門的な手法で数値を計算し、求められた結果の原因や理由をお話しいただきました。
経済波及効果とか産業連関表などの専門用語もわかりやすく説明してくださる中、導入の具体例として、新潟産業大学がつくられたことにより「生産誘発額」が約20億円、「雇用誘発数」が135人の効果があったと数値を説明してくださりました。逆に今この大学ななくなったとしたらこの金額や人数がそっくりなくなってしまう、というのです。宇都宮先生の研究は、このようにある事柄を行ったときにどれだけ経済に影響を及ぼすのかを研究したものです。その事柄の周辺部分は考えず、純粋にその一つの事柄のことで計算した研究です。それを柏崎刈羽原子力発電所に当てはめて研究した論文について講演してくださいました。結果は、柏刈原発では「生産誘発額」が約2500億円、「雇用誘発数」が約6500人という結論でした。逆に言うと、原発が動かないとこの金額や人数が損失する、ということでした。先生もその場で力を入れ話していましたが、実際の経済はこのままいくものではない、この研究はあくまで一つの場面を切り取ったときの数値である、ということなのです。つまり、原発が停まっていると、この数値そっくりそのまま経済がマイナスになるのではなく、停止していることにより別の仕事が必要になったりそれにより雇用もあったりしますので、プラスに働いている面もあるということも忘れてはならないのです。経済というのは様々な事柄の総合体としてのことなので、ある一面だけを切り取った数値だけに振り回されないようにしなければなりません。数字だけが独り歩きしてしまうと、宇都宮先生の素晴らしいアカデミックな研究が本来の素晴らしさを発揮されなくなってしまいかねません。このような研究の成果を実際の社会経済や生活に落とし込んでいけるのかを、偏りや操作がなくできるだけ正しく市民に伝えていけるかが私たちの使命だと思います。宇都宮先生、ありがとうございました。
夕方からは「フッ化物洗口を考える会」の発足式と第1回勉強会がありました。この「フッ化物洗口」というのは、フッ素などを含む溶液で小中学生がうがいをし、虫歯を減らしていこうと行われていることです。現在全国では10.7%の小中学校で実施されており、新潟県でも54.0%の小中学校で行われています。全国平均に比べてたくさんの学校で取り組んでいるためか、新潟県の中学1年生の虫歯の本数は全国1少なくなっています。子どものためを考え虫歯を減らすために行われているフッ化物洗口はいいものだ、と推進する当局は言うのです。柏崎市では30年前にフッ化物洗口の実施について大激論が交わされ、学校での一斉実施は行わないようになった経緯があります。10年位前の市議会での質問に対し、当時の教育長も「これからも学校での一斉実施は行わない」旨の発言をしています。それが昨年から柏崎市でもフッ化物洗口を全小中学校で実施していこうとする流れが出てきました。柏崎市に合併する前から高柳と西山ではフッ化物洗口を行ってきたということもあり同一市でありながら同一歩調をとっていないということも問題だということもあったからだと思います。しかし、フッ化物洗口のこのようなメリットは皆さんご存知だと思いますが、デメリットについては全くと言っていいほど知らないのではないかと思います。メリットは分かっているのに、フッ化物洗口自体に対するデメリット、小中学校で一斉に行うことに対するデメリットなどをしっかり勉強したうえで、保護者が判断できるようにしていこうとして発足したのがこの「フッ化物洗口を考える会」なのです。今回は新潟市で歯科医をしておられる成田憲一先生からフッ化物の実態についてのお話をしていただきました。怖くなるような事実が隠されていることも教えていただきました。
この会は、フッ化物洗口にやみくもに反対する、何が何でも賛成するという偏った考えのある会ではありません。メリットデメリットをしっかりと理解した上で、保護者の責任で判断できるようにしていこうとしているのです。今現在小中学生あるいは就学前のお子様をおもちの保護者の皆様、フッ化物洗口に興味関心のおありの皆様、一緒に勉強をしていきませんか。参加希望の方あるいはこのフッ化物洗口にご意見のある方は、このサイトの「お問い合わせ」から一報いただきたいと思います。お待ちしております。