文教厚生常任委員会県外視察3日目
今日は視察3日目、最終日でした。前橋市で「まえばし学習支援事業(M-Change)」について説明を受けました。以下は印象に残っていることです。
○前橋市の人口はおよそ34万人。
○平成27年4月からの生活困窮者自立支援法の施行に伴い、市内の生活困窮世帯に属する中学生への学習支援として、平成26年10月からモデル的に実施し、平成27年度から本格実施して、今3年目である。
○市内の6か所を会場にして週に2回程度対象者を集めて学習支援を行っている。対象者は生活保護世帯と生活困窮世帯の中学生。全体としておおよそ60名の定員としている。指導はNPO法人に委託しており、教員資格をもつ指導責任者のもと、大学生がほぼマンツーマンで指導している。教科は原則として数学と英語。長期休業中やテスト前には他の教科も指導している。
○指導する大学生には時給1500円程度の報酬は支払っているし、大学としてもこれに参加することで単位を認めたりしている。しかし、それが目的にはならず、自発的にやってくれる学生が増えている。指導する大学生には秘密の厳守について厳しく指導をしている。
○対象世帯には中学校を経由して保護者に案内が配られ、希望する場合は申請する。
○成果としては、昨年度利用した中学3年生19名は全員高校に進学した。不登校生徒でもM-Changeには来る生徒もいる。利用している生徒、保護者とも肯定的感想がほとんどである。
○課題としては、高校進学後のつい指導をしたり、数学と英語以外の教科を増やしたり、参加者や会場を広げていくことを検討している。
○訪問型ではなく、集合型として学習支援を行うことは、子どもたちの社会性の向上に効果的だと考えたことであり、生活保護を受けているかどうかについて他の人に知られることにはあまり神経質にならなくてもいい土地柄だと判断したから。
この生活困窮者自立支援事業の学習支援については柏崎市でも7月から実施されていることです。柏崎市では集合しての学習指導ではなく、個別に家庭を訪問して行う訪問型の学習支援です。訪問型には集合型にはないよさがあります。私は柏崎市ではそれが適していると考えます。ただ、指導者の確保が難しいので、協力できる教員OBをはじめ、指導可能な方はぜひお願いしたいと思います。
前橋市の皆様、ありがとうございました。
今回の3日間の視察は私にとって大変勉強になり、有意義でした。教育関係が多く、柏崎市でも活用できそうなことも少なくありませんでした。やはり、まちづくりは人づくりであり、人づくりの根幹は教育なのだと強く感じた3日間でした。子育てを含む教育関係にどれだけの予算をあてられるかが、その自治体の未来を左右すると考えてもいいかもしれません。「今」のことばかりでなく、「未来」を見通した中で必要な施策を議会としても提案していきたいと思います。