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会派での視察1日目

今日から会派としての視察を上越と長野で2日間の予定で行っています。今日の午前中は上越市の桑取地区で活動している「かえりみち山里ファン倶楽部」について専務理事の関原剛さんから話をお聞きしました。

印象に残っていることを以下に記します。

○「クニ」とは新集落集合体。中山間地や臨海部などに位置する集落集合体。この「クニ」に自主性・自立性をもたせることによって、より広い地域が活性化していく。

○NPO法人はボランティア団体ではない。自らもお金を稼ぐようなシステムをつくっていかないと、自治体からの補助金だけでの運営だけでは継続した活動ができない。

○「かみえちご」には9人のスタッフがいて、給料を支払っている。NPOといえども経済的自立は大切である。

○「かみえちご」の活動には年間4000万円ほどかかっている。そのうちの50%くらいは指定管理者として自治体からもらっているが、残り半分は環境学校運営託・生存技能調査・棚田維持産業化・カフェレストラン営業、食品加工施設販売などで稼いでいる。

○指定管理の入札は地域アドバンテージが必要ではないか。安いだけの決定だと、地域が育たない。

○あるもの探し(お宝マップなど)をしても地域は活性化していかない。継続性のある組織構造をはじめから作っておく必要がある。あるもの探しは「よい」ものを見つけることであるが、継続させていくためには、悪しきものも見ていこうとしなければならない。この組織構造をNPO法人がまかってくとよい。

○地域(町内)はひもの切れた数珠になっている。単独ではいいものがあっても地域(町内)同士をつないでいくものが無くなっていた。そのよさを絶やさないためにも、その数珠にひもをつけてやることによって、地域全体が活性化していく。そのひもには若者、しかも何のしがらみのない若者がうってつけ。

○しかし、ただひもの役目をしてもらいたいと言って、若者を地域に放すだけでは何の解決にもならない。若者は若者で地域に溶け込んでいく努力をし、その若者を支える理事会的団体を地域に組織してやらないと、若者はつぶれてしまいかねない。

○新たなものを受け入れ、自らが進んでその新しい意思へ協力していく流れは、①未知→②知→③拒否・興味・無関心→④許容→⑤認知→⑥参加→⑦主体性→⑧自己化、とされている。この中の「許容」が大事で、何か言ったりやったりしているけど、いいんじゃあないか、と入り込んでいこうとする集団が許してくれるようになるまでしっかり頑張る必要がある。そしてそれを続けていくと、自分もやってみようかと思うようになり、最後は自分たちが主体的に先頭に立ってやってくれるようになる。

○集団になじむためには、結(ゆい)での肉体労働が大切になってくる。これをみんなで一緒にすることによって、「許容」されていく。

○NPOは構造をつくることであって、例えば農家になる、ということではない。

○これからは優等生の村が勝ち残る仕組みから、平凡な村が存続する仕組みへ、攻めの経済(大量生産、特産品、市場出荷)ではなく、まずは守備の経済(少数多品目、必需品、限定販売)から。

○誰の役にも立ちそうな施策は誰の役にも立たないものと考える。

○今1000あるものをすべて生き残らせようとすると1000全部消えていく。1000のうち300を末永く生き残らせていこうとすることを考えていく必要がある。

NPOを立ち上げて、この「クニ」をしっかりとした組織にしていくことにより、構造的に地域を立て直していくことに取り組んでいます。聞いていて、文化には変わってはいけない文化もありますが、時代とともに変化し続けなければならない文化もあるということを思い出しました。地域も、それを形作っている一人一人の個人の考え方も、時代によって柔軟に変わっていくことで、これからも絶えることのない集落にしていく、という力強い気持ちを感じました。

NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部では、上越市の桑取地区で「平左衛門カフェ」を営業しています。休みの時のみの営業ですが、関心のある方はお立ち寄りください。かみえちご山里ファン倶楽部の皆様、ありがとうございました。

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