会派での視察2日目
昨日は長野県の飯綱に泊まりました。午前中に飯綱町役場で「議会改革」と「集落振興支援基本条例」について研修し、午後からは小布施町役場で「小布施町若者会議」について研修させていただきました。
飯綱町は10年前に2つの村が合併してできた町です。似たような村ではなかったようで、融合し合うのにも時間がかかったようですし、それぞれが抱える課題解決に向き合っている最中のような感じもしました。しかし議長さんを中心に議会としてぶれることなく、町民の意見をしっかりと受け止め、真摯に対応し、改革につなげているとのことでした。現在の町会議員の報酬は月に16万円程度ということです。また、集落(町内会)が町内で50あり、その集落が直接町当局とやり取りをする風土があるため、町会議員の存在価値も微妙だということでした。
印象に残っていることを記します。
○集落同士連携して何かやれないかと考え、議会として当局に提案し、地域振興係を設置することが
でできた。
○議会として提案するとすべてが当局の課長会議にかけられ、書面にて回答が来る、という流れができているのでやりがいがある。
○本会議の一般質問で当局が「検討する」と言ったことに対しては、半年に1回、書面にて報告することになっている。
○委員長報告は委員長がすべて作り、20ページになることもある。
○議会事務局の2人は議長の指名にて決定している。これは地方自治法に記されている。
○平成22年から「飯綱町議会政策サポーター会議」を立ち上げ、町民からサポーターを募り(15人程度)、テーマを決めて議論している。現在は第3次のサポーター会議を行っている。
○平成30年に向けて今4つある小学校と2つに統廃合していく。
○周辺自治体の動向を確認し、人口の流出が無いように配慮している。例えば子育てに関して、近隣の地域が延長保育料が0円なので、飯綱町も0円にした。そのために420万円の予算を組んだ。
○町長や議員が変わってもこの改革が継続していくようにするため、集落振興支援基本条例をつくった。
○議会だよりモニターを50人くらいで組織し、たよりについての意見を募り、たよりの改善に努めている。
午後からは小布施町に移動しました。小布施町は栗と北斎で全国的にも有名なところです。人口1万1000人程度の町に年間120万人の観光客が訪れるとのことです。こう聞くと観光に力を入れているように思いましたが、一番に力を入れているのは農業だそうです。観光は水物と考えているのかもしれません。農業の支えがあっての町の発展、という考えです。
印象に残っていることを記します。
○小布施町には小中学校1校ずつで、高校や大学はない。
○2012年から2泊3日のイベントとして「小布施町若者会議」をはじめ、今まで4回開催してきた。
○町に慶応大学との協働で、ソーシャルデザインセンターを開設した。
○この若者会議で話し合われたことがそのまま町の事業として展開されたいるということではない。しかし、「第二町民制度」や「美術館の建物をボルタリング施設に改築した」ことなど、民間の動きとして町の発展に寄与するものも少なくない。
○観光から交流へ、交流から定住へ、の流れをつなげていきたい。
飯綱町の皆様、小布施町の皆様、ありがとうございました。