top of page

会派県外研修2日目(徳島・神山町 上勝町)

昨日の伊方視察からそのまま徳島県神山町へ移動し宿泊しました。今日は徳島県神山町と上勝町を視察しました。神山町はサテライトオフィス、上勝町は葉っぱビジネスやゼロ・ウェイスト等の取り組みで全国的にも有名な自治体です。昨日と今日視察した3つの自治体は「町」ですから柏崎「市」に比べ人口から財政規模からみても小さいところです。あえてこのような「町」や「村」に視察に行くかというと、「市」の中に一つの町内会を自治体と考えて、それぞれの自立のために可能なことはないのか、という視点で事業等を見るためです。また、小さな自治体で可能なことはそれより少し大きな自治体でもできることが少なくありません。

神山町では「サテライトオフィス」について現地見学とレクチャーを受け、上勝町では「ゼロ・ウェイスト」「インターンシップ事業」「バイオマス事業」について現地見学とレクチャーを受けてきました。それぞれ以下にまとめます。

<神山町>

○神山町は人口は1995年からの20年間で4分の1に減った。現在は5300人程度。

○「創造的過疎」という言葉を2007年につくり、過疎を受け入れ、数ではなく内容を改善していこうと考えた。雇用がない、仕事がないならば、ここでもできる仕事をもってきてもらえばいい。

○消費者庁が神山町で移転の実証実験をした。1016年3月14日から17日まで、職員10名でお試し業務を行った。

○サテライトオフィスなどの企業誘致には町行政は一切かかわっていない。

○このようなサテライトオフィスなどで結果が出た2011年には転出者数より転入者数が上回った。自然減のため町の人口は増えないが、社会減は以前に比べものすごく少なくなった。

○サテライトオフィスは目的ではなく、人とのつながりから出来上がったもの。神山町の法人税の7%がサテライトオフィスからのものであるが、このサテライトオフィスを目的とすると、ゆがんだものになってしまう。

○神山町に来る人は町のために何ができるかを考えてやってくるのではない、自分の仕事を成功させたいためにやってくる。そして、補助金などに頼ることなく全部を自分の責任としてやろうとしているから覚悟ができている。彼らは町の商工会や行政に相談するのではなく、まず最初にグリーンバレーに相談に来る。このグリーンバレーへの相談の段階で面談を通してその人の企画がダメになることも少なくない。

○以前町営の縫製工場だったところをサテライトオフィス「コンプレックス」として改修し、いろいろな人や集団のモノづくりの作業所として貸し出している。その中に徳島県庁のオフィスと徳島大学のサテライトがある。

神山町の取り組みについては4月14日にも聞いていましたので、実際の様子を目で見られたことは大変良かったと思います。アイディアキラーの話や、すきを素敵にするには「手」を加えるという話も聞かせてもらいました。

<上勝町>

○人口はおよそ16000人、600世帯。

○「ゼロ・ウェイスト」のウェイストとは無駄・浪費という意味。

・2020年までにごみ0にする宣言をした。ごみとは焼却したり埋め立てしたりするもの。

・この発祥はオーストラリアのキャンベラ。サンフランシスコなど世界にも広がっている。

・上勝町にごみの焼却施設はない。リサイクルできるように全部で45分別している。小中学校でもしっかりと分別する指導をしている。

・リサイクル率は全国だと20%くらいだが、上勝町では79%。

・町にはごみ収集車は回っていない。原則として各家庭がゴミステーションに持ち込む。遠い人は車で40分くらいのところに住んでいる人もいる。車がなかったり高齢の世帯は2か月に1回ごみを収集に行っている。

・生ごみは回収していない。家庭で処理をしている。だからゴミステーションは臭わない。家庭での生ごみ処理機購入には補助を出している(価格5万円で4万円の補助)。生ごみは家庭から出るごみの3~4割を占めていると言われている。

・リサイクルで300万円くらい売り上げているが、他のごみ処理に600万円ほどかかっている。しかしこの取り組みを行う前に比べて費用が6分の1に減っているので、これからも続けていく。

・アルミ缶は1キロ105円、スチール缶は1キロ14円、ペットボトルは0円、プラスチック容器はマイナス0.45円、新聞紙は1キロ11.5円、牛乳パックは1キロ10円などで業者に引き取ってもらっている。(プラスチック容器は支払っている)

・リユースとして無料で町民は再利用できる服や本、食器などは持ち込んでいる。自分で使えるものは無料で持ち帰りができる。昨年は13トンの持ち込みがあり、11トンの持ち帰りがあった。

・一般廃棄物のみで産業廃棄物の回収はしていない。家電とタイヤだけは別に持ち込み料をもらっている。

○「インターンシップ事業」として、学生対象(いろどりインターンシップ)と移住希望者対象(産業別インターンシップ)に分けている。

・始めて7年目の事業。最初は農家の後継者を募集することで始めたが、それだけでなくいろいろな業種へ広げていった。現在まで616人がインターンシップに来て、41人が定住した。

・特別なことを体験させるというのではなく、普通している仕事を一緒にしているだけ。インターンシップ中の宿泊費は無料、食費は自己負担。最低でも1週間は体験している。そのため学生や求職中の人の参加が多い。

・町から委託された事業なので、たずさわっている人の人件費は町から出ている。昨年度からはインターンシップ参加者からも1~3万円の参加料をもらっている。

・昨年から町営の学習塾を始めた。中学生になるときに受験をする子どもが増えてきた。隣の勝浦町と合同で男子は野球、女子はバレーボールのチームが組めるように部活動を編成した。

○「バイオマス事業」として、温泉施設の給湯や温泉湯の過熱、冬場の暖房に利用している。発電はしていない。

・平成17年に1台目、平成18年に2台目のボイラーを設置した。

・燃料のチップは最初は町内の工場から購入していたが、現在は勝浦町の工場からもってきている。1日1・5トンのチップを使っている。チップの価格は現在1キロ20円程度で値上がりしているので、重油でやっていた時との差があまりなくなってきており悩ましいところ。

・導入の時は町長のリーダーシップが強く発揮された。

神山町では「葉っぱビジネス」が有名ですが、今回はその説明は受けませんでした。ごみ0の取り組みやインターンシップ事業は柏崎でも工夫をしながら取り組めるものがありそうです。

神山町、上勝町とも行政視察は役場で取り仕切ってはいません。民間の事業所に請負に出していま

す。神山町はグリーンバレー、上勝町はいろどりです。両町とも細かく説明してくださり、質問にも丁寧に回答してくださりました。神山町、上勝町に皆様、ありがとうございました。

#会派県外 #徳島 #神山町 #上勝町

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
bottom of page