原発サミット1日目
今日から東京の品川プリンスホテルにて「第10回全国原子力発電所立地議会サミット」が開かれています。隔年の開催なので私にとっては初めての参加でした。今回は「日本におけるこれからの原子力政策のあり方~原子力発電を将来世代にどう引き継ぐか~」をテーマに行われます。昨日も書きましたが、参加者が400人を超すようなサミットです。北は北海道の泊村、南は鹿児島県薩摩川内市まで、全国24か所の自治体の議員等が参加しました(薩摩川内市は市議会選挙直後なので議会事務局が参加)。
このサミットの会長は柏崎市議会議長が務めています。開会式であいさつがありました。その後、21世紀政策研究所研究副主幹の竹内純子様から「わが国がとるべきエネルギー・環境政策」を演題にした講演がありました。新たにアメリカ大統領になるトランプ氏の政策についても、現政権と何が変わるのかについても分析をして話してくださいました。
その後、分科会に分かれて、それぞれのテーマに沿った話し合いが行われました。私は第3分科会に所属して「今後の原子力政策の方向性と次世代エネルギー政策の課題」について意見交換をしました。
そこでの印象ですが、福島での原発事故を目の当たりにしている、被災された当事者の自治体の議員は原発をなくしていく方向を訴え、それ以外の自治体、特にもんじゅがある福井県の議員などは原発の必要性を強く訴えたように感じました。こんなことが意見交換されました。
○再生可能エネルギーはそれが可能なところが取り組めばいいし、それができないところは原発を再稼働すればいい。
○もんじゅの地元はその稼働を強く要望している。
○原発リプレース問題を考えないと次世代への継承にならない。
○使用済み核燃料の処理方法の確立が重要。
○ドイツは企業でも自家発電が進んでいる。日本も今後は企業の自家発電が進むと考えられる。これを踏まえて通常の電力がどれだけ必要なのかを考えていかないと電力の必要量が見えてこない。
○再生可能エネルギーは蓄電池の開発が必要。不安定なものに頼る電力はよくない。
○再生可能エネルギーは地消地産で考えていってもいいのではないか。
○国としては原子力発電で電力の20~22%をまかなっていくことを考えている。安全確保が前提であるし、減少させていくことではあるが、技術の開発は進めていく。もんじゅは廃炉を含めて抜本的な見直しを検討している。
○リスクマネジメント、プロジェクトマネジメントの重要性が言われている。リスクを認識しながら程度を減少させていく。リスクの定量化を把握していくことが重要。
○国としては電力の22~24%を水素や蓄電池を含めて再生可能エネルギーでまかなっていくことを考えている。
地元地区に原発があるという同じ環境にある自治体の議員の方々なのだから、原発に対するスタンスも柏崎市と同じようなものかと思っていました。しかし、参加してみて、柏崎市の議会、市役所の当局の方々、柏崎市民の皆様などの考え方と、今回参加している他の地域の議員の方々との考え方とはかなり大きな差があるのだと感じました。もっと安全面のことや次世代エネルギーについて議会がしっかりと考えているのかと思ったら、そういうことに取り組んでいるところが少ないのではないかという感じがあったのです。夕食を兼ねた交流会の中では、原発さえ稼働していたら雇用や経済、人口減少までも何とかなるようなことを話していた方もいて、少し違和感を感じました。安全性を考えてすぐに廃炉にした方がいいとは私も考えてはいませんが、原発が万能であるという考えには異論があります。様々な立場から意見交換をしていくことが「議会」としては大切なのではないかとも思いました。