防災教育の必要性と意義
今日は柏崎市教育センター研修として標記の講演会が行われました。教育センター研修とはいえ、参加者は100人を超えるくらいいましたし、学校の教員だけではなく、半数以上は防災士や一般の方々だったようです。講師は群馬大学大学院の金井昌信准教授でした。内容では防災教育の考え方が変わるくらいの衝撃を私は受けました。今まで防災教育というと、適切な知識をしっかりと指導することが大切だと考えていました。それも大切なことなのですが、もう一歩踏み込んでいかないと、子どもの心には根付かないことだということに気づきました。指導者としては、知識のみを伝えようと考えるのではなく、知識を適切に使い行動に移していけるようにしていくことを考えて指導を工夫していかなければならないと思いました。こんなことが印象に残りました。
○「防災を学ぶ防災教育は防災上の効果も低い」。逃げるためだけの知識や行動を教える防災教育は、主体的な行動をとる子どもの育成という観点からもマイナス効果。
○防災教育を「目的」と位置づけ、知識や行動様式を教えるのではなく、教育活動の中の「手段」としてとらえ、防災を通じた人間(道徳)教育を行っていくとするならば、様々な教育効果が期待できる。
→地震が来た時に備えて、家具を固定しなければならない、と知識として教えたとしてもそれを行動に移す人は多くない。どうすればいいか。「家具の下敷きになった家族がいる。津波が来ている。あなたは助けるか、一人で逃げるか」というような正解がない心を揺さぶるような発問をすることによって、その前提である家具の下敷きにならないように固定しよう、と考えがおよぶと、行動に移す人は多くなる。
○防災キャンプを閉校になった学校を使って行うこともいい。
知識としての防災教育ではなく、人間教育の手段となるような防災教育こそ、今の学校教育に必要なことだと思います。ここには書きつくせない多くのことを学びました。大変興味深い講演会でした。金井先生、ありがとうございました。