議員定数の算出手法を考える
今日は東京で標記の研修会に参加しました。柏崎市議会では議員定数の検討を行っている最中です。しかも、定数を議論していく視点として、今回の研修会の講師である廣瀬和彦先生の資料を活用しています。この廣瀬先生が説いている視点がすべてであり、必ずどれかに従う必要があるかといわれればそうではないと思うのですが、大変重要で参考にすべきものだとは思います。
議員定数を何人にするにしても、その人数の数値が最初にあるのではなく、議会とは議員とはどうあるべきなのか、その機能はどのようなものなのか、ということありきだと思います。その議論がなく他の自治体が減らしたからうちも減らさなければならない、ということは絶対にあってはならないと思うのです。また、市民の意見として議員定数を減らすのだ、と主張する人もいるかもしれませんが、市民に対して議会の在り方、議会活動、議員活動の在るべき姿についてどれだけ説明しているか、ということになると、これもまた疑問があると思います。
要は、議会としてどのような視点でこの議員定数についての議論をしているのか、ということを市民の皆様に公開していかなければならないということです。繰り返しますが、定数を何人にするかありきの議論をしてはいけない、ということです。
以下にその抜粋等を記します。
○議員定数を減らすことが議会改革ではない。また、議会改革しても住民にとって何が良くなったのかと説明できるようにしなければならない。
○地方公共団体の職員も減少している傾向にあるが、職員を減らすのであれば事業も減らしていくべきである。そうしないと職員がオーバーワークになる。事業を減らしていくことを提案できるのは議会だけである。
○議会の権能を発揮する議員定数における視点
・議事機関としての機能…議論できる人数であるか
・立法機関としての機能発揮…政策立案機能、条例案を出す、住民からの意見としての条例なのか
・監視機関としての機能発揮…執行機関のチェック機能、チェックする人数が多ければそれだけ機能は発揮できるがチェックするのに時間がかかる、多ければいいというわけでもない
○議員が「利益代表」「地域代表」になっていないか。狭い中での活動でなっていてはいけない。個別の問題が市全体の問題になっているのか、どう関わっているのかを考えて活動、発言していかなければならない。
○議員定数は選挙直前に議論してはいけない。それを選挙の争点にしてはいけない。時間をとって住民に説明できる定数にしていく。定数が2つあったとき、その真ん中をとって決めるというのは決める理由になっていない。
○議員定数にかかる審議は原則として総務常任委員会で行う。議会運営委員会で行うのは例外である。国会では議運の所管にないということで行っていない。一般的には総務常任委員会だが総務省からは議運で行ってもいいということが出た。いずれにしても、初めに行ったところでずっと審議を行っていく。特別委員会にはしない。
○本会議で内職をしている議員や特定の団体の利益のみを質問するような議員がいるから議員の資質が問題だから議員定数を減らす、ということが言われるときがある。しかし、選挙で議員の資質を問うことはできない。資質があるからといって選挙に通るわけではない。
○議員定数の歳出方式は6つ「常任委員会数方式」「人口比例方式」「住民自治協議会方式(小学校区方式)」「議会費固定化方式」「類似都市との比較方式」「面積・人口方式」が考えられる。
具体的に柏崎市の議員定数を数式が出ているものにあてはめてみました。上記の「常任委員会数方式」と「人口比例方式」と「面積人口方式」です。
・常任委員会数方式
5~10万人都市の常任委員会平均数は3.3であり、1委員会あたりの委員数は7.5人。これを掛け合わせた議員数は、7.5×3.3=24.75人。議長を入れた人数とすると24.75+1=25.75。切り上げて26人となる。
・人口比例方式
5~10万人都市の議員一人当たりの人口範囲(H26,12.31)は1875.9~5173.7人であり、その平均は3195.6人である。
柏崎市に当てはめると、柏崎市の人口を人口減を勘案して8万3000人として計算すると、83000÷3195.6=25.97。切り上げて26人となる。
・面積人口方式
議員定数=14.78+0.0846×人口(千人)-0.0000655×人口の2乗+0.0061×面積(平方キロ)となる。
柏崎市あてはめると(人口8万3000人、面積442平方キロメートル)
14.78+0.0846×83-0.0000655×80×83+0.0061×442
=24.05。切り上げて25人となる。
これらがすべてとは言いませんが、今回の研修会で学んだことをこれからの議論に生かしていきたいと思います。また、人口減を勘案して今回は8万3000人を使いましたが、今後さらに減少していくのだからもっと議員も減らしてもいい、という考えは今はしない方がいいと思うのです。減少したらまたその時に考えればいいのです。今から10年も先のことなど考えて議員定数を決めてはいけないと思います。
今日の帰りは困りました。長岡までは新幹線が不通に通っているのですが、長岡から柏崎までは信越線の運休で帰れません。こういう時はどうすればいいのでしょうか。旅費の計算の時は考慮されないものなのでしょうか。う~ん。