ESD
ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。
突然なにかといえば、私は、これからの日本の社会のキーワードはこの「持続可能な」だと考えています。上記にもあるように「サスティナブル」という言葉を聞くこともあると思います、そのことです。人口減少が確実な現在の日本では、日本全体にしても地方にしてもさらに大きく成長していくことはほぼ考えられない状況だと思います。であれば、そのことを受け止め、未来に向けて持続可能な様々なシステムを構築していくように思考を転換していく必要があると思うのです。
2015年9月には国際持続可能な開発サミットで、先進国を含む国際社会全体の開発目標となる持続可能な開発目標が2030アジェンダとして採択されたことをきっかけに、日本でも本格的にこの考えが広がってきています。これがよく聞く「SDGs」と言われるものです。アジェンダというと、計画とか予定表とか行動計画と訳されており、2030アジェンダというと、2030年を期限としての行動計画を示しているものです。2030アジェンダには17の目標が設定してあります。
その目標の中の一つに「質の高い教育をみんなに」というものがあります。この「ESD」はそれを受けてという取り組みではなく、すでに2010年から取り組んでいるものです。きょうはこの「ESD」を柏崎市の中で学校教育の中心に据えて取り組んでいる北鯖石小学校へ訪問して池田校長先生から話を伺いました。
ESDはユネスコスクールが推進しているということで、北鯖石小学校では2010年に申請をし、2011年1月にユネスコスクールに認定されました。それ以降、本格的に取り組んできています。
校長先生から話を伺ったところこのESDは特別な教育活動ではないと感じました。通常行っている教育活動をESDの視点で見て、その枠組みでまとめることで、子どもたちにとっても分かりやすく、取り組みやすい活動になるのではないかということです。教育活動の「機能的側面」としても考えられるものだと思いました。つまり、どこの学校でも今取り組んでいることをSEDの視点で見直すことがそのままESDとしての教育活動になるのだと思います。
しかし、指導者側としてはこのESDとして教育活動をまとめることで学校でのすべての活動をきちんと整理できますので、体系的に整理することが重要だと思いました。取り組みを始めた当時は計画づくりなど大変な作業だったと想像しますが、今になってもその考えがしっかりと受け継がれていることからすると、素晴らしい体系づくりだったと思います。
毎年の北鯖石小学校のグランドデザインにも記されていることなのですが、このフレーズが素晴らしいのです。「自分だけでなく みんなのために 今だけでなく これからもずっと」。
現在の北鯖石小学校の活動の様子も聞かせていただきましたが、子どもたちが自分のみならずまわりの、そして社会全体のことまで思いをはせた活動を行ったり、活動のまとめを書いたりする姿は素晴らしく、長年取り組んでいるESDが子どもたちのみならず保護者や地域の方々まで浸透しているのだと思いました。
ESDについての詳細は北鯖石小学校のホームページに記されていますので、詳細はこちらをご覧ください。
説明をしてくださった池田弘校長先生をはじめ、北鯖石小学校の皆様、ありがとうございました。