原発特別委員会第1部会研修会
今日は原発特別委員会第1部会による研修会「柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉に関する審査の概要」として、原子力規制庁からの田口達也企画官、小野祐二安全規制管理官、内藤浩行安全管理調査官から議場にお越しいただき、説明を受けました。以下は抜粋です。
以下は柏崎刈羽原発6・7号炉の審査の経緯です。
平成25年 7月 8日 新規制基準施行
平成25年 9月27日 東京電力が設置変更許可申請書、工事計画および保安規定の変更申請書を提出
平成25年11月21日~ 公開の審査会合での審査(原子力規制委員、規制庁審査官)
・163回の審査会合と5階の現地調査等を実施
・760回のヒアリングを実施
平成29年7月10日~9月20日 東京電力経営陣と意見交換をし、申請者としての適格性について議論
平成29年10月 4日 設置変更許可に係る審査結果を取りまとめ
平成29年10月5日~11月3日 審査書(案)に対するパブリックコメントを募集
平成29年12月27日 審査書(案)を原子力規制委員会で了承し、設置変更許可
平成29年7月10日に原子力規制委員会と東京電力経営陣との会合では、規制委員会から「基本的な考え方」として以下のような7点が示されています。
・福島第一原子力発電所の廃炉を主体的に取り組み、やりきる覚悟と実績を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原子力発電所の運転をする資格はない。
・福品第一原子力発電所の廃炉に多額を要する中で、柏崎刈羽原子力発電所の対する事業者責任を全うできる見込みがないと、柏崎刈羽原子力発電所の運転を再開することはできない。
・原子力事業については、経済性よりも安全性追求を優先しなくてはならない。
・不確実・未確定な段階でも、リスクに対する取り組みを実施しなくてはならない。
など
その後、これら7点それぞれについて、東京電力からの回答書が原子力規制庁に提出されました。
それらを受け、原子力規制庁は、
「以上の確認の結果、平成29年12月27日、原子力規制委員会は、申請者である東京電力については、柏崎刈羽原子力発電所の運転主体としての適格性の観点から、原子炉を設置し、その運転を的確に遂行するに足る技術的能力がないとする理由はないと判断」しました。
今回は「設置変更許可」ということの審査が終了したということです。これによってすぐに再稼働が可能だというわけではありません。この後「工事計画許可」「保安規定変更認可」「使用前検査等」の手続きが必要です。
研修会ではいくつかの質問が出ましたが、原発推進派・反対派のそれぞれの言い分の根拠をすべての議員が分かった上で、このような研修会が行われるともっと有意義なものになったかもしれません。もっとも、すべてを理解するようなことは難しいとは思います。ですから、研修会を行う前に、議会の特別委員会として、十分な意見交換をし、論点を整理した上での開催だったらもっとよかったのではないかと思ったのです。
個人的にはそういう両方からの意見の根拠がどういうことなのかを継続して研究していきたいと思います。