自治体議員の基礎講座研修2日目
昨日に引き続き2日目の研修講座でした。今日は質問作成のスキルアップをテーマにした研修でした。以下は印象に残ったことです。
○行政組織は現代官僚制理論により、各係ごとにやることが記されている。専門性が組織に蓄積されている。
○議会と行政職員はパートナーの関係であるべきで、バーサスの対立関係ではない。
○地方議員の政策秘書は行政職員と考えてもいいのではないか。
○行政組織の最大の意思決定は予算の決定である。予算を決定するということは、ヒトモノカネ時間情報をどう使い、目的を達成するかを決めること。
○データとはそのままだと意味を生まないものである。そのデータに軸を設定して整理したものが情報である。ナレッジとは、情報の関係性から結果や知見を導き出したものである。
○質問を考えるときにはデータや情報をそろえることはもちろん、各省庁から出されている白書にあたらなければならない。
○いい質問は、相手に気づかせ、相手に決断を迫り、相手を応援するものである。
○アカウンタビリティとは説明をする責任ではなく、正しくは責任を説明するということ。行政には5段階のアカウンタビリティがある。合規性に関するもの、プロセスに関するもの、パフォーマンスに関するもの、施策に関するもの、政策に関するもの。
○市長を同じ土俵に上げる質問としてよく使う文言は、「市長もご存知だと思いますが」「市長もうすうす感じられていると思いますが」など。
○「私たちはどうすればいいですか」という質問だと、当局とバーサスの関係でなくなる。
○アンケートの回答は、理想の自分を思い描いてするものであり、うそをついているというわけではないが、結果をそのままうのみにはできない。
○社会調査をやっている人(アンケートを作っている人)は、思い通りの結果を作り出せる。
○アンケートをするにはその労力の8割で質問項目をつくることをする。
○市民には3つの顔がある。サービスの受け手、納税者、パートナー。
質問作成について、市民が感じている悩みや解決してほしいこと、つまりニーズをそのまま事実として訴えていても本質の解決がなされなければ、一つの事柄は解決したとしても同じようなことが繰り返されます。その本質を追求できる目こそが議員の力量であると思います。幸い柏崎市は議員が市民から直接ニーズを聞くことが容易な地域です。多くの市民と接することで自分としては見えにくいところを気づけるように努め、その原因をいかに一般化していけるかを考えていきたいと思いました。例えば、放置自転車が駅前にあふれている状況の解決をどうすればいいのか、という問題があれば、市民の意識を変えていくことで解決するものとは限りません。周辺地から駅に来る路線バスの運行時間や運行地区の問題が隠れているのであれば、そこを改善しなければ本質の解決にはなりません。そういう深堀ができるようにしていく必要があると感じました。
また、議会と行政はバーサスの関係ではなくパートナーの関係であるということについては、私自身が今まで抱いていたことと同じだったので安心しました。しかし、私がパートナーだと思っていても行政側の方はどう感じているのか分かりません。行政の方から信頼される議員として、何をしていかなければならないかを今一度考えていきたいと思いました。
昨日の研修とあわせ、一番興味深かったことは、社会とまではいかなくても物事が一気に変わっていくための「閾値(いきち)」という数値を聞いたことです。まず13%の人がもっているものは人の目につくものとして認知され、25%になるとマイノリティとしてさらに意識され、閾値の35%を超すと一気に変革が始まると言われています。いきなり35%を目指すのではなく、まずは13%を達成できるように少しずつ進めていけるように、数値目標を掲げていくことが大切だと思いました。
講師の永田先生、ありがとうございました。