議会運営委員会県外視察2日目
今日は昨日に引き続き議会運営委員会の県外視察2日目でした。石川県小松市へ行きました。小松市では「予算決算常任委員会」について学びました。
柏崎市議会では昨年度から議員研修会に先進的に常任委員会化して取り組んでいる議会から講師を招いたり、常任委員会化へ進みつつあります。今日も先進的に取り組んでいる小松市としてのメリットデメリットを含めて審査の流れの説明を聞きました。以下はその説明の抜粋です。
○決算書は8月下旬に出している。予算決算常任委員会を設置する前は11月に審査を行っていたのでそれまでに決算書を準備していた。
○小松市の予算決算常任委員会のモデルは、横須賀市議会。
○小松市は通常の定例会で行われており、予算決算常任委員会の閉会中の調査研究は行っていない。また、他の常任委員会の閉会中の調査研究についてもテーマをもっての調査研究は行っていない。
○事務事業評価は議会としては行っていない。
○常任委員会や分科会での議員間討議は行われていない。議員と当局間のやり取りだけ。
○予算決算常任委員会設置の目的
・従来の分割付託による審査方法は、各委員会での表決結果が異なる可能性があるなどの矛盾が生じることから、これを解消する。
・予算審査と決算審査を同一議員が行うことにより、総合的・一体的な審査を行う。(それまでは決算特別委員会として6名の委員で決算審査を行っていた)
・決算審査を来年度予算に反映させる。
○予算決算常任委員会の組織
・構成員には議長や議員の監査委員も含まれ、採決にも加わる。構成員は議員全員の22名。
・3つの常任委員会を分科会とする。分科会のメンバーは常任委員会のメンバーと同一。
・分科会以外に理事会を設置する。メンバーは予算決算正副委員長と各常任委員会の正副委員長。
・理事会において、審査または調査の日程に関して、総括質疑の実質有無や質疑者の順序に関して、付託議案の取扱いに関してなどの事項を決定する。
○予算決算議案の審査の流れ
議会運営委員会→予算内示会→予算(決算)説明会→本会議初日→理事会(議案の付託先を決定など)→本会議一般質問→予算決算常任委員会全体会(開催を省略する場合もある)→理事会(次の全体会の進行の決定)→予算決算常任委員会全体会(総括質疑)→分科会(詳細審査、採決は行わない)→理事会(次の全体会の進行の決定)→予算決算常任委員会全体会(分科会委員長報告、討論、採決)→本会議最終日
○予算決算常任委員会設置による効果
・分割付託解消による円滑な議案審査。
・同一議員が予算決算審査を行うことによるチェック機能の強化。
・修正議案や附帯決議を提出しやすくなる。
○予算決算常任委員会の課題
・議会日程が従前に比べ、長くなった。(3週間程度だったのが4週間程度になった)
・総括質疑は全ての議会で実施する必要があるのか。
・締め括り総括質疑は必要なのか。
○予算決算常任委員会を設置したことにより当局の決算説明会が新たに増えたり総括質疑の答弁を行うことになるので、部長級職員の負担は増えたと思われる。
また、小松市の人口はここ数年10万8千人前後を保っており、人口減少問題に直面しているわけではないようです。そして、小松駅前には今年度開学した「公立小松大学」があります。定員は1学年240人とのことですが、少子化が全国的な問題になっている今、思い切ったことをしたと感じました。市としても大学にそれなりの支援を継続していかなければならないのですから。さらに、昨年4月から議会では紙資料なしになり、すべての資料をタブレットで見ているとのことでした。この点も柏崎市議会としては学んでいくことだと思います。
予算決算について常任委員会化することのメリットは大きいと思います。しかしそれを議会側だけの理屈で進めるのではなく、当局側と十分にすり合わせていくことが大切だと思いました。小松市では決算書の早めの提出など議会側からの提案を事務局から当局に伝えたとき、全く問題なくことが進みました。事業評価だけでなく議員間討議についても柏崎市議会とはやや異なっていますが、予算決算常任委員会としての定例会での流れ、あるいは常任委員会化は柏崎市議会でも取り入れられることだと思います。解決すべき課題は少なくありませんが、議員全員が共通理解した上で取り組んでいけるといいと思います。
小松市の皆様、ありがとうございました。