危機管理士2級講座3日目
今日の午前中に危機管理士2級の社会リスクに対する試験がありました。2日間の講義の内容とはいえ、60問、5択、80分間の試験で、できた、と思える問題の方が少なく、前回同様合格の自信がもてません。
試験内容としては、ランサムウェアとは何か、BECとは何か、サイバー上のリスクを回避するとはどういうことか、DMATとはどういうものか、ISOの種類、国民保護法と武力攻撃対処法、感染症法などなど、問題の持ち出しはできませんので詳しい内容までは忘れましたが、5択とはいえ難しかったです。
その後、危機管理といえばこの人と言われるほどの先生、河田恵昭関西大学教授から危機管理士総論の講義をいただきました。以下抜粋です。
<危機管理士総論>
〇6月に北大阪で震度6の地震があった。特に大きな建物の損傷はなかったが、人・モノ・情報のフロー(流れ)が止まった。大阪でも混乱したのだから、これが東京だったら大混乱になり、経済被害はとてつもなく大きくなる。だから一切止めるのではなく、徐行でもいいから流れを作ってやることが必要になる。
〇災害は社会現象である。
〇自然現象としての地震や台風の理解は防災・減災・縮災の必要条件ではあるが十分条件ではない。
〇世界では防災関係の研究者は女性の方が多くなってきているが日本ではまだまだ。
〇縮災は、被害を少なくするという減災だけでなく、被災からの回復を早くするという意味をもっている。
〇日本の歴史上の天災や内乱による犠牲者数は学校では教えないから、その重大さが理解されにくい。例えば応仁の乱では10年間で3万人が死んだ。関ケ原の合戦では半日で8000人が死んだ。
〇明治以降の災害と戦争での死者と予測
太平洋戦争310万人、日露戦争11万5千人、東日本大震災2万2千人、明治三陸津波2万2千人、日清戦争1万3千人、阪神淡路大震災6434人の死者が出た。
南海トラフ巨大地震は推定32万3千人、首都水没は推定15万9千人、首都直下地震は推定2万3千人の死者が出るとしている。
〇日本の防災実務の課題としては、災害の発生に先んじた法的体制になっていない。災害が起こったから直し、強化する。起こるかもしれないと予測されているところでも、起こっていないのだからといって予算はなかなかつけない。
〇日本の長期的な災害発生傾向
「地球温暖化による風水害の激化傾向」「高潮の脅威の増加」「2100年まで続く地震・火山噴火活動の活発化」。
〇災害激動時代をどう生きるか
「知識・情報・教訓が命を助け、財産を守ってくれる」「必要な知識を自分からとりに行く」「時代が進むと、社会も進化し、被害の出方や内容も変わる」「日本の災害対策基本法は間尺に合わなくなってきている」。
河田先生は政府の防災に関わる組織にも関わり影響力を発揮しているとのことで、今の日本の防災の方針を決めている中のお一人でもあります。上記のような「縮災」も河田先生がつくった言葉とのことです。貴重なお話をいただけました。
3日間の講義と試験でした。これだけ防災、危機管理一色の日を送ることはなかなかあるものではありません。柏崎は中越沖地震を経験した自治体としてそれなりの知識や経験があります。しかし、もう11年も経っています。当時のものが現在にそのまま使えるかというと、そうではないと思います。しっかりと見直す時期にきていると思うのです。BCPにしても市としてはつくっておらず、中越沖地震の時の経験があるから大丈夫という気持ちなのであれば、それは改めるべきではないかと思うのです。中越沖地震以上の災害、あるいは人為的なミスによる業務停止など考えられることに対しては備えておかなければなりません。議会運営委員会として先日坂井市に議会BCPについて視察に行きました。これからも一人の議員としても防災、危機管理について研究を進めていきたいと思います。