津波セミナー
今日は「津波セミナーinかしわざき」として津波浸水想定や新潟県の津波について新潟県防災企画課の方や新潟気象台の方から説明があり、その後に、「生きる力を育む防災教育」をテーマとして片田敏孝東京大学特任教授から講演をいただきました。
この片田先生は東日本大震災の前から釜石市で防災教育を行い、あの巨大津波が発生した時に適切な避難行動が行えた子どもたちを育てた方として有名な先生です。
そこでの講演で印象に残っていることをいくつか記します。
・「対策」ではなく「思想」を創る。どれだけやっても不安は無くならない。不安を受け止める思想が大切。
・思想なき防災は混迷する。
・子どもは育まれるもの。生まれた社会で価値観が育まれる。大人が子どもに不適切なことを刷り込むがゆえに子どもが不幸になることもある。
・釜石で伝えた「避難三原則」・・・「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」
・和歌山県では避難所に星をつけて区別している。☆の避難所にしか行けないときもあるが、可能なら☆☆のところまで移行し、さらに☆☆☆の場所まで移動できるのであれば、津波でも大丈夫。
・自分で判断することが大切。その場でやれることは何なのか。
・学校のグラウンドで地震が起きた。地震の時は机の下に入るのだからといって、教室に戻って机の下に入った。という子どもがいたらしい。マニュアル主義の欠点。もっと自分で判断することを教えるべき。
・助けられる人から助ける人になれるような中学生であってほしい。
など、大変興味深い内容でした。完璧な防災はありません。どんなに備えていてもそれ以上の想定以上の災害に見舞われるかもしれません。そういう時にどう判断し行動できるから大切なのであって、それには思想が必要なのだということだと思います。
片田先生、ありがとうございました。