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会派視察2日目(群馬県上野村)


今日は群馬県の上野村に移動して「定住対策」「子育て支援」「地場産業の振興状況」などの説明を受け、実際の現場を見学させてもらいました。上野村は群馬県の南端に位置し、御巣鷹山の入り口として知られています。村内には28の集落12の行政区があり、2分の1は国有林、稲作は全くしていない土地です。人口は1299人なのですが、特筆すべきことは、その人口のうちの18%に当たる240人がI(アイ)ターン者であるということです。

上野村は黒澤元村長が「栄光ある上野村の建設」ということで「健康水準の高い村」「道徳水準の高い村」「知識水準の高い村」「経済的に豊かな村」の4つを掲げ、取り組みを始め、神田現村長もそれを継承しています。以下に説明内容の抜粋を記します。

○子育て支援は定住対策と連動させ、子どもの誕生から高校卒業までの間、「誕生祝金、1子3万円」「養育手当、3子以降一人月1万円」「低額保育料、月額2千円」「小中学校の給食費免除」「子ども福祉医療の充実、高校生まで医療費無料」「各種奨学金」など様々な支援がある。

○昭和40年代から観光振興に力を入れるとともに、農業の振興としてイノブタの生産を始め、50年代以降村営木工センターの開業、平成になり農業の6次産業化、村営宿舎の開業、スカイブリッジ(大吊り橋)の建設、きのこセンターの規模拡大など進め、「自立する地域社会」を目指してきた。

○現在は「持続する地域社会」として村の存続を目指し、「産業振興・雇用の創出」の2本柱①「地場産業の育成→自立した経営→上野村一家」として、きのこセンター民営化、産業情報センター設立、②「森林整備、森林保全→林業の6次産業化→村内循環型の経済」として、木質ペレット工場、バイオマス発電、エネルギーの地産地消を進めている。

○地域内循環型経済の中のエネルギーとして、「バイオマスエネルギーが人口1300人の村で12億円の経済を回し、150人の雇用を生む」を掲げ、発電量を村内で供給できるペレットで発電できる180キロワットの発電におさえ、燃料から電気の使用までを村内でまかなっている。その電力は「きのこセンター」で使われている。

○観光客が年20万人もいる。

○うえのテレビという村内のケーブルテレビがある。

上の写真はきのこセンターの様子と、きのこセンターに併設されているバイオマス発電所。以下はペレット工場の様子。

説明ご質問をさせてもらいましたが、なぜU・Iターンを進めている自治体が多い中、上野村は突出してその人たちが多いのでしょうか。それは正確には理由をつかみきれていないとのことですが、いくつかの要因が考えられるようです。

①リクナビでI(アイ)ターン者を募集するとき、仕事とセットとして紹介するが、その仕事が民間ではなく、上野村の行政として募集しているものを知らせている。

②20年以上前から積み重ねられている移住者を受け入れるという村全体の風土が確立されている。

③かじかの里学園として村外からの小中学生の留学生受け入れが長年続き、その卒業生が定住したりしている。

いずれにしても九州、大阪、奈良、福島、山形など全国いたるところからI(アイ)ターン者がいて、それがまったく不自然ではなく、各コミュニティーに溶け込んでいるというのが素晴らしいと思いました。村内を車で見ても、自然豊かで住宅も整い、会う人たちも温かいのですから、当然これからもその勢いは続いていくものだと思います。

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