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瑞宝太鼓


今日の午後からは「瑞宝太鼓」を見てきました。瑞宝太鼓は、長崎県の障がい者の方々で構成されている、障がい者長崎打楽団による演奏です。6人のメンバーが奏でる太鼓の音、笛や尺八の演奏、とても障害がある方の演奏とは感じられませんでした。しかも、演奏するだけでなく、観客に話しかけ、観客に撥を手渡して一緒に太鼓を叩く演出もこなし、巧みな話術や場の盛り上げなど、私がもっていた障がい者というイメージが改まりました。見ることができて本当に良かったです。

ステージでの演奏ではなく、観客席と同じフロアーでした。後ろの方は見にくかったかもしれませんが、逆に足から伝わる振動も感じられ、よかったと思います。始まりのまず第一打は、この上の写真の真ん中の大きな太鼓への一打だったのですが、ものすごい物理的振動と心に響く振動でした。およそ1時間休みなく演奏していて、技術的なものもそうなのですが、体力も相当なのだと思いました。そしてそのあと、6人一人ずつへのインタビューがありました。その受け答えがこれまた素晴らしかった。「瑞宝太鼓をしていてうれしかったことは何ですか」「もらった給料は何に使っていますか」、などの質問にしてユーモアをまじえて丁寧に応えてくれました。敬語を含めて適切な言葉遣いでの即答に、私へのインタビューでもこんなに応えられるのかと思うほどでした。

そのあと、市内で障害者を雇用している事業所、With Youさんとケンブリッジさんとそこで働いている利用者(障害者の方)によるトークセッションがありました。そこでのWith Youの小林社長が話した「これが社会のあるべき姿」という言葉にハッとしました。障害者が普通に働き、給料をもらって生活している社会が普通なのです。それが特別なことではなく、当たり前に感じられない社会は成熟した社会ではないと思います。また、元ケンブリッジの黒坂さんからは「事業所に余裕や自信があるから障害者を雇用したのではない。初めは事業所としてもチャレンジして雇用した。しかし雇用してみて失敗したと思っている経営者やそこの従業員の方は一人もいない」という話がありました。どの事業所も初めから積極的に雇用したというわけではないのです。障害者を戦力として考え、社会への貢献を事業所の理念として上位に据えている経営者が初めは勇気を出して障害者の雇用を始めたのだと思います。初めからうまくいくかどうかなど不透明で、逆に事業所が傾くような失敗をするかもしれないことだったかもしれませんが、それまでの方が考えているほど障害者の方々の能力は低くはなかったのですね。その場にはそれらの事業所で働いている利用者もいました。利用者の方から、嬉しかったこととして「ほめられた時」「仲間に頼りにされた時」という話がありました。こういう、お互いを認め合える、言葉に出して感謝が言えることが自然に行われる職場だから、安心して働けるのだと思います。こういう職場、事業所が増えていくことを期待しています。先の小林社長は今の柏崎市は「障害者雇用を理解してくれている事業所が増えてきている感じがする。活気が出てきている」と評価しています。私も微力でありますが協力し続けていきたいと思います。何度も言いますが、微力は無力ではありませんから。

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