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星の王子さま

年末ですが、「星の王子さま」を読み返しました。サン‐テグジュベリ作で、1962年11月に初版が発行されています。自分も忘れるくらい前に読んだきりになっていて、話題が出るたびに、そういえば…、と思い返すくらいでした。印象的な「かんじんなことは、目には見えない」という言葉。星の王子さまといえばこの言葉、というくらい有名な言葉になっています。でも、これは最初に「王子さま」が言った言葉ではないのです。そうです。話の後半に出てくる「キツネ」が王子さまに向かって言った言葉でした。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」と。こんな場面です。王子さまの星に1本のバラの花が咲きました。王子さまはそのバラをたいそうかわいがり、水をやり、つい立てを立てて風にあたらないようにし、毛虫を取り、時には不平や自慢話を聞いたりしました。そして地球に来た王子さまは一面に咲いているバラを見かけました。その時にキツネと交わした会話が王子さまに、地球のバラは美しいけど自分の星に咲いているバラと違って、ただ咲いているだけ、あの一輪の花が地球のたくさんのバラより大切だ、だって、自分がお世話をしたこの世に一つしかないバラだから、ということを気づかせてくれたのです。その時のキツネの言葉でした。

この本は「ぼく」が飛行機で砂漠に不時着した時に出会った「王子さま」とのお話を書き綴ったように進められています。上の「ぼく」が少年のころ描いた「こわい絵」は何の絵かわかりますか? ちなみに帽子ではありません。こういう話から物語は始まります。

王子さまは地球に来る前に6つの星に行っています。1つ目の星には「王様」、2つ目の星には「うぬぼれ男」、3つ目の星には「「呑み助」、4つ目の星には「実業家」、5つ目の星には「街灯の点灯夫」、6つ目の星には「地理学者」がいました。そして7番目に地球に来たのですが、その地球はこんな星だというのです。「111人の王様、7000人の地理学者、90万人の実業家、750万人の飲んだくれ、3億1100万人のうぬぼれ、46万2511人の点灯夫」がいる星…。この6つの仕事はそのままの仕事というわけではないと想像できますが、どんな人を暗示しているのでしょうか? 王様は「人に命令したがる人」、うぬぼれ男は「人の目が気になる人気がほしい人」、呑み助は「自分の過去を忘れたい人」、実業家は「お金に固執する計算高い人」、点灯夫は「指示待ちの労働者」、地理学者は「人の話から物事を判断する批評家的な人」なのかもしれません…。

内容はこれだけではありません。小学6年生以上を対象としている本ですが、子どもだけでなく大人が読んでも、その年齢によって受け取るものが違ってくる、奥の深い物語です。しばらくしてからまた読み返してみたいと思います。

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