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教育文化講演会


今日は柏崎市刈羽村の小中学校の先生方の研修会「教育文化講演会」に参加させていただきました。今年は國學院大學人間開発学部初等教育学科の田村学教授による講演会でした。田村教授は今から10数年前まで柏崎市で小学校の先生や柏崎市教育委員会に勤務していました。その後、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官を務められ、現職に至っています。

田村教授とは彼が柏崎市にいる頃は一緒に活動したこともあり、年齢も近いことからも、仲良くさせてもらっていました。

今日は「学習指導要領改訂の方向性~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~」をテーマとした講演でした。学校の先生方を対象とした内容でしたが、「教育」にだけではなく、今の私へのメッセージとしても受け取ることができる内容・言葉も少なくありませんでした。以下にそれらの中から印象に残っていることを記します。

〇子どもたちの学力は上がっているが、それを生活に生かしていく「術」を知らない。今の子どもたちは身に付けた学力を生活に役立てようとする気持ちがなく、役立っている感じもしていない、そして何に付けても自信がないことが問題である。

〇21世紀の社会は「2011年入学児童の就職先の65%は現在ない職業」「20年以内に今の仕事の47%は機械が行う」「近い将来10人中9人は今と違う仕事をしている」。

〇子どもたちが実際に社会に出てから役立つ力を身に付けるように指導していく。それは「チームで自分たちの考えを導く力」。

〇知識は共有できる。知識は更新していかないといけない。これからは自分で知をクリエイトしていくことが大切。

〇当事者意識をもてる課題でないとやらされている感をもち、主体的にはならない。

〇新学習指導要領で育成を目指す資質・能力は3つの柱は、「学びに向かう力・人間性等」「思考力・判断力・表現力等」「知識・技能」。評価もこの3観点になっていく。

〇アクティブラーニングでは「プロセス」「インタラクション(相互作用・学び合い)」「リフレクション(振り返り・熟考)」が、学びの中で適切に位置づけられているかが大切。

〇授業改善に向けて、

・プロセスの充実を図る→課題、見通し(文脈性、真正性、多様性)

・音声言語でインタラクションする→異なる多様な他者との対話

・文字言語でリフレクションする→外化(文字、一定の長さ)

〇深い学びは、知識・技能を関連付けることが重要。

〇子どもに学びに向かう力(学習意欲・意志)を培うためには「手ごたえ感覚(ポジティブ感情)」が大切。それは…

・満足感→すがすがしい、気持ちいいなどの言葉にならない満たされた感覚

・達成感→なるほど、分かった、できた、できそうだなどを支える感覚

・自己有用感→少しは成長したかな、前よりもうまくいったぞなどと自己の成長を実感する感覚

・一体感→一緒でよかった、みんながいたから、みんなでやると楽しいなどの協同的に学ぶ価値を実感する感覚

〇好ましい心的傾向を安定的に身に付けていくことが大切。

〇自ら学ぶ、共に学ぶために…

・学び合いを楽しむ・積極的に主張する・互いの意見を傾聴する・独自性や斬新さを認める・意見や考えの差異に正対する・自らの考えを生成する・仲間の存在を大切にする・自己変容に気づく。

〇ただ座って先生の講義を聞いているときの脳の活動は眠っているときと同じである。

〇学習定着率は「講義5%」「読書10%」「視聴覚20%」「演示30%」「討論50%」「体験75%」「他者への教え90%」。

先生方が子どもたちに施している授業方法などは私たち教員以外の人でも学び方やまとめ方に活用することができるということを知る機会になりました。今まで30年間教員の世界で生きてきて、このような研修は教員のためだけの勉強会だと思っていましたが、教員を離れてから教員向けの研修会に参加すると、教員以外の多くの仕事にも関連している「言葉」が多いことに気づきます。

教員時代に私はよく子どもたちに「自分が分かって50点、人に教えて75点、教えた人が分かって100点だよ」と言っていました。人を説得できるくらいの知識や熱意をもっていなければ本物ではない、ということだと解釈できます。

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