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原子力発電所に関する意見交換会

今日は柏崎市主催で標記の意見交換会が開かれました。あらかじめ選ばれた19人と市長が意見交換をするという会でした。傍聴者として参加しましたが、傍聴者は100人くらいいました。そこで市長も話していましたが、原発に対して賛成、反対といろいろな立場や意見の方々が参加しての意見交換会にこそ、原子力発電所の所長を含めて幹部の方々が出席してほしいし、もっともっと大勢の市民の方から傍聴してほしいと思いました。

そこでは市長からご自身の原発への思い(2011年3月にブログに記したもの)と東京電力へ渡した文章(2017年7月に渡したもの)、経産大臣に渡した文章(2017年8月に渡したもの)の内容について話がありました。

これらの内容についてはことあるごとに発表していますから、新しい内容はありませんでした。ご自身は容認の立場であり、いずれそう遠くない将来には原発は撤廃すべきであるが当面は稼働もやむなし、ただし安全安心は確実に保証してもらう、というものです。

意見交換した19人は再稼働賛成の立場、反対の立場の方が参加しており、ご本人の意見を話したり市長へ質問をしていました。

再稼働なくして柏崎市の経済の活性化はなしえない、というような再稼働推進の立場の方。安全対策に欠陥があり、東電へは信頼もない、というような再稼働反対の立場の方。賛成反対の立場は同じでも一人一人の気持ちには温度差も感じられました。ただ、再稼働すれば原発で働く人が増え、柏崎も盛り上がる、というような正しいとは言えない、その人にとってはそうであってほしいというような思いを話す方もいましたし、100%安全だと言えないものは必ず事故が起こると考えるべきだ、とやや極端に話す方もいました。

意見交換会の最後には、参加者の中から、賛成反対に関係なく必ず進めていかなければならないような避難道路の完成や使用済核燃料の処理について、また原子力以外のエネルギー開発については、オール柏崎としてまとまって声を上げて国に伝えていかなければならない、という発言がありました。

その通りだと思いました。あるものに対してはそれを受け止め、稼働してもしなくても安全ではないこともあるのですから、そしていつまでも原子力に頼っているような経済発展もあり得ないのですから、それらの解決に向けては誰もが納得して進められるものです。

参加者の話を聞いていても、誰もが安全安心の確保と経済の活性化は必要なことだと考えているように思いました。その優先順位や重みづけに差があるから、それぞれの立場に分かれるのだと思いました。

今回の意見交換会を経ても市長の考えには変化がなかったように思いますが、それぞれの思いは伝わったと思います。また、傍聴した人にとっても、それぞれの立場の意見を聞くことができ、有意義だったと思います。中には、すぐに再稼働すべき、すぐに廃炉にすべき、とご自身の考えを固め、他の意見や自分の意見と反対の動きをするようなことに対して拒絶したり受け付けない人もいるかもしれません。しかし、申し訳ありませんが、そういう人が柏崎の将来の発展の足かせになっているのだと思います。人の命が何よりも大切なことは共通ですが、それ以外の幸福や豊かさの追求などの方向は正解がないことでもありますから、お互いの意見を聞き、将来を見据えた中で現在の柏崎の在り方を現実として見つめていくこと、折り合って落としどころを見つけていくことが大切だと思うのです。

今、「これが結論!日本人と原発」竹田恒泰著を読んでいます。この本は東北大震災後の2012年3月に出されているものです。原発推進、反対に関わらずぜひ読んでほしい本です。原発がなくても電力は満たされ電気料も上がらない、という現実的で実効性がある主張があったり、原発の定期点検時の作業員の実態なども記されており、私にとっては初めて知ることが少なくありませんでした。

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