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総務常任委員会県外視察2日目

昨日に引き続き2日目の視察です。今日は石川県かほく市と羽咋市に伺いました。朝から雨がぱらついていましたがあまり台風の影響はなさそうでした。

午前中は、かほく市役所で「定住促進」について学びました。かほく市は今年で合併し、市政15周年です。金沢市の北にあり、人口35000人の市です。小学校6校、中学校3校、高校はありません。以下説明の抜粋です。

○若者の定住・移住に向けた施策のストーリー。「結婚してもらおう」→「とりあえず住んでもらおう」→「かほく市に家を建てよう」→「子どもを産んでもらおう」→「子育てを応援しよう」→「住んでよかった」。

○平成16年に3町が合併してかほく市ができた。平成21年に市長からの直接の指示により定住施策の企画立案が始まった。

○平成20年10月にイオンモールかほくが開業。年間770万人(1日に2万1000人)の集客。同時期に国道8号線が片側2車線に拡幅されたたことにより、金沢市への時間が短縮された。

○平成22年度から「かほく市若者マイホーム取得奨励金」制度の創設。簡単にいうと、家を建てたら100万円。

○平成22年度に「定住促進プロジェクトチーム」が発足。中堅職員8名で構成。市長に11の新規・拡充事業を提案し、平成23年度にはそれに10事業をプラスして、計21事業をまとめた。現在その21事業のうち18が実施された。3案は準備中。

○平成29年4月からは「学生UIJターン奨励金」制度を実施し、条件に合う18件に10万円ずつ交付した。

○平成30年4月からは「ちょこっとかほく移住体験」事業を実施している。

○平成28年からは人口が増えてきた。特に社会増が著しい。

特に驚いたのは、出生数と現在の市内小中学の児童生徒数のです。例えば、平成16年の出生数は290人でしたが、現在の中学2年生の生徒数は350人です。単純に60人転入で増加したことになります。このようなことが中学2年生から小学1年生までの8年間で少ない学年でも29人、多い学年は66人もの増加があります。これはにわかに信じられない現象です。かほく市の住みよさは全国17位です。昨年は4位でした。こういう自治体もあるのですね。

人口増の要因を聞いたところやはり大型店舗の進出をあげていました。しかし、説明を聞いていると市の職員が提案したことが市民に浸透し、それが市外に広がり、効果が上がっているのだと思いました。特に、合併するとき、3つの町が統合したのですが、に行った、公共料金は3町の中で一番安い金額に、サービスは3つの町の一番いいところに合わせる、という心意気に素晴らしさを感じました。また、一般会計予算150億円中、2億円をこの定住促進関係に使っています。まさに集中と選択です。定住促進がうまくいっているところは外部の要因もあると思いますが、ピンポイントで集中的に予算をあてがえるようなトップの心意気も必要だと思いました。

特産品として、一房で100万円したというブドウ、ルビーロマンがある土地です。一粒がピンポン玉くらいあるそうですが、3玉1000円で売っているそうです。

かほく市の皆様、ありがとうございました。

午後からは、羽咋(はくい)市役所で同じく「定住促進」について学びました。羽咋市はかほく市よりもさらに北に位置しています。今年は市制60周年の年で、人口は2万20000人。世界で3か所しかないという砂浜を車で走れる千里浜(ちりはま)海岸で有名です。また、UFOや宇宙の町としても有名です。以下説明の抜粋です。

○ローマ法王へ献上したお米で有名になった神子原地区がある。しかし、このお米は神子原地区から市内へ広がらず、今は「自然栽培」といえば羽咋、と言われるほど今は全国には自然栽培の地として有名。

○定住促進には「就労」と「住居」という捉えで進めている。就労のメインは自然栽培、住居の提供として様々な事業に取り組んでいる。その事業には「住まいづくり奨励金交付制度(H18~)」「空家リフォーム再生事業(H27~)」「空き家情報バンク利用促進事業(H27~)」「定住促進家賃補助交付事業(H24~)」「空き家活用による定住促進活動交付金(H27~)」などがある。

○平成27年から移住に関する相談説明をワンストップで行う窓口を設置した。

○JAと協力して自然栽培の就農者を募っている。新規就農者家賃補助事業もある。

移住者は自然栽培の就農者か金沢などへの通勤者が多いようです。移住してきた人がすべて現在も住んでいるわけではありませんが、転出した理由を確実につかみ、今後に生かしています。その理由は、地域おこし協力隊としてきたが希望した仕事に就けなかった、安さを求めて空家に入ったが大変だった、雪が想像以上だったなどだったそうです。また、羽咋市としては定住等に効果的だったと思われる事業は、空き家の取得やリフォームの助成だそうです。

いきなり定住となるとハードルも高いものがあります。そのため羽咋市では「移住体験」にも力を入れています。農業体験が条件ですが、最大5日間無料で施設を利用できます。

羽咋の駅を降りるとそこには「UFO」の文字があったり、宇宙人や宇宙というものが目につきます。ですからそういうものを売りにした取り組みの説明があるのかと想像していましたが、全くありませんでした。自然栽培を仕事とするための定住の住居提供がメインでした。もっとも、この定住促進の取り組みを学ぶために訪問したのですから当たり前なのですが、この羽咋市には上にも記しました千里浜海岸、神子原地区のお米、宇宙、子どもの学力も全国上位、などアピールすることがたくさんあるように感じます。伸びしろではありませんが、潜在能力の高い自治体だと思います。

空き家対策や定住に向けての住居の提供の方法など、柏崎として学ぶところが多くありました。

羽咋市の皆様、ありがとうございました。

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