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新潟産業大学特別講座


新潟産業大学では市民向けに特別講座として、講座を無料公開しています。今日はその特別講座「人工知能の現状と経営」の中でテーマを「社会実装を前提としたロボット・AIを用いたスマート農業の現状と課題」とした講座を、八谷満農業技術革新工学研究センター高度作業支援システム研究領域長を講師に迎えて行いました。

テーマを聞いてまず思ったことは、ドラマ「下町ロケット」のことでした。無人で田畑を耕したり、田植えから稲刈りまでを行えるような機械が現実に完成したのか、と思ったのです。ドラマの中での出来事かと思いきや、すでにクボタ・ヤンマー・イセキの各社では開発を進め、実用化させ市販しているとのことでした。

講座を聞いていて印象に残っていることをいくつか記します。

・現在の農業従事者はおよそ175万人。そのうちの64.6%が65歳以上、50歳未満は10.1%しかいない。平均年齢は67歳。10年後のことを想像すると、この64.6%の65歳以上の人は農業から離れていくと考えられる。深刻な労働者不足になる。

・日本、アジア型スマート農業システムは、「ICT活用」「AIを含めたビッグデータの分析、活用」「最適化した作業計画」「ロボットでの遠隔操作」「農機による作物、圃場情報の収集とシステムのフィードバック」「通信形式の標準化」。

・農業開発普及員がいるので、その人と一緒にシステムをお試しして進めるといい。生産プロセスのPDCAサイクルを回していく。

・10アールあたりの1年間の田んぼの労働時間は、昭和40年は140時間だったものが平成24年には25時間に劇的に減少した。10アールあたりの収穫量は多くて10俵。

・2016年3月に、「2018年までに農機の自動走行システムを市販化し、2020年までに遠隔監視で無人システムを実現できるよう制度整備を行っていく」と首相が話したことをきっかけに、自動化に向けての開発が一層加速した。

・農機の自動化は、GPSの制度が1~2センチメートルでないといけない。

農機の自動化というとどうしても大規模農業を想像し、アメリカや日本でも北海道くらいでした行えないのではないかと思っていましたが、GPSの精度が上がっていくことを条件に、広く普及していくと思いました。労働人口の減少が想定できる以上、今の収量を確保するためには人に代わるロボットの導入が急がれます。

八谷先生、ありがとうございました。

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