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転倒予防フォーラム


転倒は特に高齢者にとって人生を左右するくらい大きな事故になります。躓いたり滑ったりして転んで骨折してしまうとそれが原因で寝たきりになってしまう場合が少なくないと言われています。

20年ほど前、交通事故で亡くなる方は年間1万5000人くらいいました。転倒で亡くなる方は6000人ほどでした。それが今では、交通事故で亡くなる方は5000人くらいに減少した一方、転倒で亡くなる方は9600人くらいに増加しています。今では転倒事故は交通事故よりも危険な事故なのです。

交通事故は社会問題として社会全体で取り組みをしてきました。その結果、事故死は3分の1に減少したのです。転倒事故はいまだ社会問題として認知されていない状況があります。それが2倍近くに増加してしまっている要因かもしれません。もっと当事者意識をみんながもたなければならないと思います。

さて、今日は標記のフォーラムが長岡で行われました。これは10月に新潟市で行われる「日本転倒予防学会」に向けた勉強会の一環として開催されたものです。新潟県ではまだ自治体として転倒防止についてしっかりと取り組んでいるところはないようですが、医師会や学会ではその取り組みの必要性を訴えています。柏崎市でも「転倒」が議会等で話題になったことはありません。今日のフォーラムも大変興味深く、勉強になりました。こういうところで得た知識やネットワークを使い、「転倒予防」についてことあるごとに伝え、少しでも広げていけるようにしたいと思います。

今日のフォーラムの講演は、「医療安全から見たスマートな転倒予防の取り組み」をテーマに、武藤芳照日本転倒予防学会理事長で東京大学名誉教授が行いました。以下、印象に残っていることです。

・転倒は命の黄信号。

・高齢者は、頭で考えていることと実際の体の動きにはギャップがある。頭は青春、体は初老、という言葉もある。

・薬剤の服用では、毎日5錠以上薬を飲んでいる人は転倒のリスクが高くなる。

・高齢になると視力低下、特に足元視力の低下が問題になる。

・頭も体も使わなければ使えなくなる。使っていないとサビてくる、サビたらなかなか動かない。

・転倒の外的要因は「ぬ・か・づけ」。「ぬ」→ぬれているところ。「か」→階段、段差。「づけ」→片づけていないところ。

・転倒予防が目指しているものは、寝たきりや要介護状態、死亡事故を低減すること。国全体の医療費、介護費を低減すること。それ以上に、あなたらしい人生を歩んでほしい、ということ。

講師の武藤先生、紹介してくださった立川先生、ありがとうございました。

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