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原発特別委員会第3部会研修会

今日は昨日に引き続き、原発特別委員会の研修会が行われました。今日は第3部会主催の研修会で、「原子力発電所と地域経済」をテーマに、藤堂史明新潟大学大学院准教授を講師に迎えた講演会でした。藤堂先生の専門は経済学であり、原発とその周辺地域との経済の関係を主に研究しています。また、新潟日報社と共同で研究を行って、その結果を発表しています。

結論から記すと、「地域振興に原発は役立たない。原発の経済波及効果は根拠がない」というものでした。仮説として、「原発の経済効果は経済神話なのではないか」を立て、2015年から新潟日報社と共同研究を始め、県内の同規模自治体の三条市と新発田市の傾向と柏崎市の様子を比較して示しました。以下、いくつかの業種においての比較結果の考察です。

・製造業・・・原発建設中の1991年まで順調に伸び、原発が全基完成した後の1998年には大きく下落した。しかし、原発建設の影響を受けた柏崎市固有の変動ではなく、三条市も柏崎市とほぼ同じ変動をしている。

・建設業・・・建設業においては原発の建設時期に明らかに大きな生産額の増加がみられるとともに、原発の建設終了により生産額が減少している。→つくり続けていないと利益は伸びない。

・卸売、小売業・・・原発の建設時期においては、当初は新発田市と同水準であったが、経済効果が一番大きいと思われる建設期から、卸売、小売業に顕著なプラスの効果は見られない。→建設業への発注は、連動した卸、小売業には影響が見られない。

・サービス業・・・サービス業への原発特有の経済効果は読み取れない。原発の建設工事が続き、柏崎市に活気があったはずの時期、1990年代前半に柏崎市のサービス業生産額は新発田市に追い抜かれている。

「なぜ経済効果が見られないのか」

・産業連関上は発生するはずの波及効果が、とりわけ建設業から他産業への波及が見られない。原子力施設建設の特殊性か。

・原子力施設から発生する需要の特殊性、また、特定の受注に依存することが、他受容の受注体制や営業努力に対して悪影響か?

「結論」

・経験的データから柏崎市における原発による生産額増大効果は建設業に原発建設期に顕著にみられる以外は、観察されない。

・先行する100社調査でも考察された、予想外に原発との関係性の薄い地元産業(一部直接的に関係する業者を除く)の特徴とも合致する。

→通常時から原発に関連性が高い企業が多くないのではないか。

原発の経済効果が大きかったという人もいる。それは、「原発建設ということが印象強かった」「その間に他からくるはずの受注がなかったから、原発関係の受注が大きかったと感じた」のではないか。とも話されました。また、原発がなくても柏崎市は産業としても観光としてもやっていける地区である。とも言ってくださいました。

ただ、この理論の正確さは、柏崎市以外の原発立地地区の経済も同様なものなのか、薩摩川内市や御前崎市でも調査をした数値があればよかったと思いました。

いずれにしても、市長は「マインド」という言葉で表現していますが、原発が稼働しないがために気持ちの面で盛り上がっていかないのではないかと思います。実際の数値としては今回の藤堂先生の理論が正しいと思いますが、それに賛同する方があまり多くないのは、表現的によくないかもしれませんが、原発にすがっていたい、原発さえ稼働すれば…というお守りをもっていたい、のではないかと思うのです。柏崎は原発のまち、ではないと思います。原発がなくてもしっかりと自立していける都市だと思います。もっと柏崎市のもっているポテンシャルを信じたいと思います。

昨日、今日の研修会を受けて改めて思ったことです。

柏崎市には原発推進派と反対派がかなりはっきりと分かれているように思います。こういう研修会で主に発言する方は原発反対派が多いように感じます。しかし、ただ原発はよくないものである、という主張であって、原発をやめる代わりの代替案は示していないのです。現実を見たうえで、原発に依存しないのであればそれに代わるエネルギーとしては何が考えられるのかを提案して初めて議論が始まるように思います。再生可能エネルギーを提案している、と言うと思いますが、実際に柏崎市で、その発電の可能性はどれだけ高いのかはある程度議論がなされました。あまり可能性としては高くないのではないかと。では、それ以外の代替案を提示することも必要ではないかとも考えます。だって、柏崎市は「エネルギーのまち柏崎」として全国展開しているのですから。私としては、GTCC発電の推進を提案したいと思うのですが、いかがでしょうか。こういう議論もあっていいと思います。

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